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2026年9月30日投資の基礎

投資信託の選び方。368本を、連動先とコストと口座で絞る

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NISAの口座は、もう開いてある。投資信託の一覧も開いた。

そこから先で止まる人がいます。名前が似ていて、説明もどれも良さそうに見える。順位をつける材料がないまま、一覧を閉じることになります。

絞る条件を持たないまま一覧を開くと、僕は決められないと思います。

この記事では、投資信託を3つの条件で絞ります。連動先、コスト、口座と買い方の3つです。個別の商品名は出しません。置くのは「型」と、条件別の第一候補の表です。

つみたて投資枠で買える投資信託の数

368本

金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」(2026年9月7日時点)

368本は、金融庁に届け出があった商品の数です。証券会社が実際に扱う数は、これとは別に数えられています。

どちらの数え方でも、選ぶ相手は3桁のままです。減らせるのは、自分の条件のほうだけです。

一覧を短くする3つの条件

条件は3つだけにします。増やすほど、答えが遠のくからです。

  1. 何に連動するか — その1本が追いかけている指数の種類
  2. コスト — 持っているあいだ、毎年引かれる分
  3. 口座と買い方 — どの枠で買い、分配金をどうするか

順番にも理由があります。連動先が決まると、比べる相手が同じ土俵に乗るからです。土俵がそろって初めて、コストの差に意味が出ます。器と買い方が効いてくるのは、追いかける先とコストが決まってからです。

入れなかった軸も、先に出しておきます。過去の成績は見ません。将来の成績を約束するものではないからです。売れ筋やランキングも、並び順の作り方が分からないので外しました。

条件① その1本は、何を追いかけているか

あなたが見ている1本は、何を追いかけているでしょうか。

投資信託の多くは、ある指数と同じ動きを目指して運用されます。だから「どの指数を追いかけているか」で、中身の性格がだいたい決まります。

決めているのは、商品名の長さでも説明文のうまさでもなく、追いかけている指数のほうです。

世界ぜんぶか、国を絞るか

全世界株式型の代表的な連動先に、MSCI ACWIという指数があります。公式の資料は、対象を先進23か国と新興24か国の大型・中型株としています。

構成銘柄の数は2,458です。1本を買うだけで、これだけの銘柄に散らばる形になります。

世界の投資できる株式の時価総額の、およそ85%をカバーする、という説明でした(2026年8月31日時点のデータ)。国を選ぶ手間を、指数のほうに預ける型だと言えます。

米国株式型なら、S&P500という指数の名前をよく見ます。日本株式型ならTOPIX(東証株価指数)か、日経平均株価です。この3つは、ここでは名前だけにとどめます。

地域以外で決める型もある

地域で決めない型もあります。配当の多い銘柄を集めた指数に連動するのが高配当株式型です。株式に債券などを足す、資産を混ぜる型もあります。

金融庁の一覧は、地域と資産の組み合わせで分けられています。いちばん本数が多いのは内外資産複合型でした(2026年9月7日時点)。

株式だけの型が一覧の中心、というわけではありません。並んでいるものは、思ったより混ざっています。

条件② 毎年いくら引かれるか

コストは、名前の違うものが別々にかかります。資産運用業協会の説明から、言葉のほうを先にそろえます。

  • 購入時手数料 — 購入時に販売会社へ支払う、申込価額の数%の費用
  • 信託報酬(運用管理費用) — 保有しているあいだ、保有額に応じて日々支払う費用
  • 信託財産留保額 — 購入または解約する際に、手数料とは別に徴収される費用

3つのうち、いちばん長く効くのは信託報酬です。買うときだけの費用と違って、持っているあいだずっと引かれます。その年に引かれる額は、残高×信託報酬でおおよそ出ます。

信託報酬のほかに、売買委託手数料などもかかります。合計がいくらだったかは、運用報告書と目論見書に載っています。

つみたて投資枠には、上限がかかっています

金融庁の資料には、信託報酬の上限が区分ごとに載っています。投資先を国内とする指定インデックス投信は、法令上の上限が0.5%でした。

投資先が内外・海外なら、上限は0.75%になります(どちらも2026年9月7日時点)。上限があるということは、下げ幅にも限りがあるということです。この枠の中でいちばん安い1本を探しても、動く範囲は上限より下にとどまります。

今回の架空モデル

コストの差を見るための仮の条件です。最初に300万円を入れ、毎月3万円を20年つづけます。想定する年率は5%(コストを引く前)、信託報酬は年0.1%・0.5%・1.0%の3通りで、税は考えません。年率も信託報酬も、この記事のために置いた数字です。

※制度や選択肢を比べるための架空の条件です。実在の人物・数値ではありません。

入れたお金の合計は1,020万円です。ここから、信託報酬の違いだけで20年後を比べます。

年0.1%なら、20年後の評価額は約1,985万円になりました。率のいちばん低い場合です。

年1.0%だと約1,749万円。同じ成績を置いても、着地はここまで離れます。

差は約236万円です。運用の成績はどれも同じと置いたので、この差は毎年引かれる分だけで生まれています。

上限の内側にある0.1%と0.5%のあいだでも、差は約109万円まで開きました。年1.0%は、その上限の外側にある想定として読んでください。

線が離れはじめるのは後半です。序盤の差は小さく見えますが、引かれた分がそのあとの複利から外れるので、年数とともに開きます。

条件③ どの器で持ち、どう買うか

同じ商品でも、置く器で手取りが変わります。見るのは枠、分配金、積立の設定の3つです。

3つ目から先に片づけます。毎月の入金を自動にするかどうかは、型が決まったあとの設定です。カードで積み立てるとポイントが付く会社もありますが、対象のカードも上限も会社ごとに違います。僕が使っている2社については、後半にまとめました。

つみたて投資枠と成長投資枠

つみたて投資枠で買えるのは、金融庁に届け出があった商品だけです。冒頭の368本が、その一覧にあたります。

成長投資枠のほうは、外れる条件が示されています。整理銘柄と監理銘柄。信託期間が20年より短いもの、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等です。

高配当型を考えている人は、ここを先に見ることになります。毎月分配の形をとる商品は、成長投資枠に入らないからです。

分配金を、受け取るか再投資するか

投資信託には、決算のときに分配金を支払うしくみがあります。コースは2つです。

受取コースは、決算日から4〜5営業日後に現金で受け取る形。再投資コースは、税金を差し引いたあとの分配金相当額で、同じ投資信託を追加で買う形になります。

この違いも、仮の数字で見ます。元本300万円を20年持ち、想定する総リターンは年5%とします。そのうち3%を毎年現金で受け取り、再投資しない場合と比べました。コストは入れていません。

税を考えないと、20年後の差は約132万円でした。受け取った分が、その先の複利から外れるからです。

特定口座なら、分配のたびに税が引かれます。税率は20.315%です。

この税を入れると、差は約176万円まで広がりました。手取りが減るぶん、複利から外れる額も増えます。

分配が劣る、という意味ではありません。今の生活に現金がほしいかどうかで、答えが入れ替わる場所です。

自分の行を、1つだけ選ぶ

左の列から入ってください。上の3行は地域で決める型、次の2行は地域以外の条件で決める型です。最後の2行には、枠の都合と、決めない選択を置きました。良し悪しの順でも、本数の順でもありません。

近い条件 先に見る型 そう置く理由
決めることを減らしたい 全世界株式型 1本で先進国と新興国に分かれるから
米国に寄せたい 米国株式型 連動先が米国の株式に絞られるから
日本に寄せたい 日本株式型 連動先が日本の株式に絞られるから
株式だけにしたくない 資産を混ぜる型 株式に債券などを足す型だから
口座に入ってくるお金を見たい 高配当株式型 配当の多い銘柄を集めた指数に連動するから。毎月分配の形をとる商品は、成長投資枠から外れます
つみたて投資枠だけで済ませたい 一覧にある型から選ぶ 届け出のあった商品だけが、その枠で買えるから
今月は決めたくない 選ばない 3つの条件が言葉になってからでも間に合うから

この表で決まるのは、どれが良いかではありません。自分がどの列を重く見るか、です。

僕の行は、上から5番目です。値上がりより、口座に入ってくるお金のほうを見る側にいます。ただしこれは僕が置いている重みで、順位ではありません。

この3つで決まらないとき

条件をそろえても、まだ決まらない場合があります。次の3つに当てはまるなら、型を選ぶ手をいったん止めてください。

使う時期が決まっているお金を置こうとしている人。値動きのある器に、期限つきのお金を入れることになります。手元のお金をどこに置くかの順番は、貯金と投資、どちらに回すかの記事で整理しました。

手元に生活の予備が無い人も、順番が違います。積立が止まる原因は、たいてい商品選びの側にありません。

1本に決めること自体が目的になっている人。3つの条件さえ言葉にできていれば、決まるまで置いておいて構わないと思います。

めぇまま

一番安いのを選べばいいの、って聞かれることがあるの。
うちは、何かを決める前に、毎月いくらの話へ直してから考えるわ。
でも、安い順に並んだ一覧を見たら、追いかけてる先がバラバラだった。
毎月の額に直すのは、その先がそろってからでもいいのかもね。

ここは僕の見方です。安さは、比べる相手がそろってから効くと思っています。連動先の違う2本を信託報酬だけで並べると、選んでいるのは中身ではなく数字の小ささになります。

同じ指数を追いかける商品どうしなら、その比べ方に意味が出ます。

僕はこちらを選んだ

ここからは僕の話です。事実と僕の見方が混ざるので、そのつもりで読んでください。

僕の投資は、高配当を中心にしています。値上がりの見込みではなく、口座に入ってくるお金のほうを見て決めました。不動産と仮想通貨はやりません。

証券口座は2つ持っています。NISAでつみたてているのは楽天証券のほうで、先に作ったのもこの口座でした。SBI証券をあとから開いたのは、投資信託の品ぞろえが理由です。

SCHDに連動する投資信託も持っています。これは僕の保有という事実で、買うことを勧める意味はありません。分配の回数も信託報酬も商品ごとに違うため、ここでは数字を出しません。税の扱いは条件③に書いたとおりで、時点はいずれも2026年9月です。

先に、口座を足しても解決しないこと

会社を変えても、選ぶ相手の数は3桁のままです。むしろ扱う本数の多い会社に移せば、一覧はさらに長くなります。

3つの条件は、会社が決めてくれるものではありません。ここは自分で言葉にするしかない部分です。

僕がSBI証券を足した理由は、さきほど書いた品ぞろえだけです。順番が逆だと、たぶん増えるのは口座だけだと思います。

2社を使っていて困った点は、ここに書ける記録がありません。かわりに、向いていない場合を条件で書きます。

SBI証券

特定口座を置いているのは、こちらです。

僕が使っているもの(投資信託の品ぞろえで、あとから開きました)

見るところ 表示
最低金額 100円から定期的に買付
積立 毎月自動で積立
クレカ積立 積立額の最大6%がクレカポイントとしてもらえる
NISAの対象 つみたて投資枠248本/成長投資枠1,263本

向いているのは、買いたい型が先に決まっている人です。決まっていれば、一覧の広さはそのまま選べる幅になります。

向いていないのは、本数の多さがそのまま迷いに変わる人です。一覧が長くなるほど、条件を先に決めておく必要が出ます。

SBI証券の投資信託のページ

2026年9月時点の表示です。最新は公式ページで確認してください。

楽天証券

口座を作った順でいえば、こちらが先でした。

僕が使っているもの(つみたての設定をここに置いています)

見るところ 表示
最低金額 100円から買える
クレカ積立 楽天カードの投信積立は、毎月15万円までポイント進呈の対象
NISAの対象 つみたて投資枠200本超/成長投資枠1,100本超

向いているのは、楽天カードで積み立てたい人です。ポイントの行き先も、そのまま1つにまとまります。

向いていないのは、別のカードで積み立てたい人です。ポイントの対象になるカードは、会社ごとに決まっています。

楽天証券のNISAのページ

2026年9月時点の表示です。最新は公式ページで確認してください。

248本や200本超は、その会社が扱っている数です。冒頭の368本は、金融庁への届け出の数でした。母数が違うので、そのまま引き算しないでください。

次にやること

型が決まっている人は、気になるほうの投資信託のページで、いまの条件を見てください。

まだの人は、いま使っている口座の一覧を、3つの条件で絞り直すところからです。

今月は決めない人は、3つの条件を言葉にできてから、口座の話に戻れば間に合います。

よく聞かれること

同じ指数に連動するなら、どれを選んでも同じですか

連動先が同じでも、商品ごとに違うところが残ります。信託報酬、分配の出し方、買える枠の3つです。

数字は目論見書と運用報告書に載っています。決める前に、その商品の資料で見てください。

つみたて投資枠の368本から選ばないといけませんか

つみたて投資枠で買えるのは、その一覧にある商品です。成長投資枠には別の条件があり、外れる商品の種類が示されています。

どちらの枠を使うかは、枠の使い道しだいで変わります。

この記事の数字は、どこから来たか

どの資料の、いつの数字かを並べます。制度も各社の条件も変わるので、決める前に公式ページで確かめてください。

S&P500・TOPIX・日経平均株価は、公式ページを開けませんでした。本文では一般的な呼び名の範囲にとどめ、構成銘柄の数などは書いていません。

信託報酬のほかに実際にかかる費用も、定義を確認できる資料が見つかりませんでした。ここも数字を置いていません。

分配のたびに引かれる20.315%は、国税庁の資料で確認した税率です。今回はそのページを開き直さず、同じ日に別の記事の台帳へ記録されたものを引き継ぎました。資料の名前は、下の出典に書いています。

2つの試算に置いた前提

コストの試算は、初期300万円に毎月3万円を足し、240か月つづける前提です。コスト控除前の想定年率5%から信託報酬を引いた率で、月次の複利計算をしました。等比数列の式とループ計算の両方で照合しています。税・購入時手数料・信託財産留保額は含みません。

分配と再投資の試算は、元本300万円を20年、年次の複利計算です。想定の総リターン年5%を「値上がり2%+分配3%」に分けた仮の設定で、コストは含みません。分配金は全額を課税の対象として計算し、元本の払い戻しにあたる特別分配金は分けていません。

年率も信託報酬も、この記事のために置いた数字です。将来の成果を保証するものではありません。特定の投資信託・銘柄の勧誘でもありません。

出典・計算方法

確認日はすべて2026年9月7日です。
・つみたて投資枠の対象商品368本と内訳(国内株式型67本・内外株式型36本・海外株式型95本・国内資産複合型5本・内外資産複合型153本・海外資産複合型3本・国内ETF3本・海外ETF6本)、指定インデックス投信の信託報酬の法令上の上限(国内0.5%/内外・海外0.75%): 金融庁「つみたて投資枠対象商品の概要について」(資料内の表記は2026年9月7日時点) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/20260907/28.pdf
・成長投資枠から外れる商品の条件(整理銘柄・監理銘柄/信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等): 金融庁「NISAを知る」(ページに更新日の表記なし) https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/
・購入時手数料・信託報酬(運用管理費用)・信託財産留保額の説明: 資産運用業協会「投資信託のコスト」(ページに更新日の表記なし) https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/costtax/cost.html
・分配金のしくみと基準価額の説明: 資産運用業協会「基準価額と分配金」(ページに更新日の表記なし) https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/about/navdividends.html
・再投資コース(分配金から税金を差し引いた相当分で同じ投資信託を追加購入)と受取コース(決算日から4〜5営業日後に受け取り): 資産運用業協会「分配金・換金/償還の知識」 https://www.imaj.or.jp/special/toushin-qa100/dividend_redemption/
・MSCI ACWIの対象(先進23か国・新興24か国の大型・中型株、構成銘柄2,458、世界の投資可能な株式時価総額の約85%をカバー): MSCI公式ファクトシート(2026年8月31日時点のデータ) https://www.msci.com/documents/10199/255599/msci-acwi-net.pdf
・上場株式等の配当等にかかる20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の合計): 国税庁「タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)」(令和7年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1330.htm
・SBI証券の投資信託(100円から定期的に買付・毎月自動で積立・クレカ積立で積立額の最大6%・NISA対象はつみたて投資枠248本/成長投資枠1,263本): SBI証券「投資信託」(ページに時点の表記なし) https://www.sbisec.co.jp/visitor/fund
・楽天証券のNISA(つみたて投資枠の対象銘柄200本超/成長投資枠1,100本超・100円から買える・楽天カードの投信積立は毎月15万円までポイント進呈対象): 楽天証券「NISAの強み」(ページに時点の表記なし) https://www.rakuten-sec.co.jp/web/nisa/strength/

それで、あなたはどれを重く見ますか

3つの条件のうち、どれか1つは他より重くなります。散らばる範囲か、毎年引かれる分か、器と買い方か。見る順番でいえば、連動先が先です。そこが決まると、一覧の長さはあまり関係なくなります。

僕は、口座に入ってくるお金を重く見ています。だから高配当の側に寄りました。

あなたが重く見るのは、どの列でしょうか。

口座のほうを先に決めたい人は、楽天証券とSBI証券の使い分けの記事に、2社を3つの軸で並べた表を置いています。

これは僕の選択。正解ではありません。選ぶのはあなたです。

次の一歩