2026年8月8日
3,000万円あれば何年暮らせる?毎月の生活費べつに計算してみた
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純金融資産が3,000万円以上ある世帯は、日本の全世帯のおよそ20.6%です。5世帯に1世帯です。純金融資産は、貯金や投資や保険を足して、借金を引いた残りを指します。
この割合を見たとき、僕は自分の思い込みに気づきました。3,000万円は別世界の話だと決めつけていたからです。
ただ、20.6%という数字は、暮らしの中身までは教えてくれません。分かるのは順位だけです。
この記事では、3,000万円を「何年ぶんの暮らしか」に置きかえます。あなたの生活費を入れて年数を出せる試算と、生活費べつの早見表を用意しました。
この記事は、YouTube動画の文字版です。3,000万円が日本のどのあたりにあるかは、動画のほうで話しました。ここから先は、その続きの計算になります。
計算に入る前に、条件を1つ置きます。ここから先はすべて、この条件を前提にした話です。現実の家計にそのまま重ねると、答えはずれます。
今回の架空モデル
手元にあるのは3,000万円だけで、収入はゼロと置きます。運用も物価上昇も税金も、いったん外します。動かせるのは毎月の生活費ひとつ。そういう架空の条件です。
※制度や選択肢を比べるための架空の条件です。実在の人物・数値ではありません。
収入をゼロにするのは、もちろん現実的ではありません。あえて極端にして、生活費の効き目だけを取り出したいからです。
月25万円で暮らすなら、3,000万円は約10年ぶん
金額のままだと桁が大きすぎて、実感が追いつきません。だから時間の単位に置きかえます。
3,000万円を、1年ぶんの生活費で割ります。答えはそれだけで出ます。
たとえば毎月25万円で暮らすとします。1年で300万円。3,000万円は、何年ぶんになるでしょうか。
月25万円で暮らすなら
約10年
3,000万円 ÷(25万円×12か月)。収入も運用も税金も入れていません
約10年です。金額としては大きいのに、時間に置きかえたとたん、ずいぶん短く見えてきます。
子どもが小学校に入り、中学を卒業するまで。それより少し長いくらいの長さだと思ってください。
あなたの場合はどうでしょう。月25万円ちょうどで暮らしている人は、そう多くないはずです。
あなたの生活費だと、何年ぶんになるか
表の前に、まずあなたの数字を出してみてください。
下のスライダーは、毎月の生活費です。手取りの額ではなく、ひと月に実際に出ていく額を思い浮かべてください。金額のほうは3,000万円で固定してあります。動くのは年数だけです。
あなたの生活費なら、3,000万円は何年ぶん?
3,000万円 ÷(毎月の生活費×12か月)の単純な割り算です。収入・運用・物価・税金は入れていません
動かしても、3,000万円という金額のほうは変わっていません。それでも年数は伸び縮みします。効いているのは、生活費のほうです。
手元の金額が3,000万円ではない人も、やることは同じ。自分のお金 ÷(毎月の生活費×12か月)。出てきた数が、あなたのいまの持ち年数になります。
細かい家計簿はいりません。桁さえ分かれば、お金の見え方は変わります。
月18万円なら約13.9年、月35万円なら約7.1年
生活費べつに並べると、幅の広さが見えます。表は、いちばん右の列だけ見てください。
| 毎月の生活費 | 1年ぶん | 3,000万円は何年ぶんか |
|---|---|---|
| 18万円 | 216万円 | 約13.9年 |
| 20万円 | 240万円 | 約12.5年 |
| 22万円 | 264万円 | 約11.4年 |
| 25万円 | 300万円 | 約10.0年 |
| 28万円 | 336万円 | 約8.9年 |
| 31万円 | 372万円 | 約8.1年 |
| 35万円 | 420万円 | 約7.1年 |
いちばん上といちばん下で、年数はほぼ2倍ちがいます。手元の金額はどちらも3,000万円のまま動かしていません。
年数を決めていたのは、金額ではなく生活費でした。
公的な平均も置いてみます。総務省の家計調査(2025年平均)だと、二人以上の世帯の生活費は月31.4万円。この暮らしを続けるなら、約8.0年ぶんです。
ひとり暮らしの平均は、同じ調査で月17.3万円。こちらは約14.4年ぶんになります。
平均のなかには、支出の多い世帯も少ない世帯も混ざっています。だから自分の場合は、自分の数字でしか出せません。
収入が入れば、この年数はもっと伸びる
ここまでの計算は、わざと厳しい側に振ってあります。実際には、答えを動かす条件がいくつもあるはずです。
給料でも年金でもパート代でも、収入が少しでも入れば、取り崩す速さは落ちます。年数はその分だけ伸びます。運用を続けている人も同じ向きに動きますが、下がる年があることは忘れないでください。
短くなる側の条件もあります。物価が上がれば、暮らし方を変えなくても生活費のほうは増えていきます。住まいが賃貸か持ち家かでも、下げられる幅はちがってくるはずです。
影響がいちばん大きいのは、生活費を動かす余地がない場合です。医療や介護の出費がある世帯、教育費の山の途中にいる世帯。ここは減らす側ではなく、増やす側と稼ぐ側で年数をつくることになります。
僕なら、いくら貯めるかより先に「月いくら」を決める
僕は、いくら貯めるかを決める前に、月いくらなら機嫌よく暮らせるかを先に置きます。
理由は2つあります。年数を動かしているのが生活費のほうだからです。もう1つは、金額が市場と収入に左右されるのに対して、生活費は今日から自分で選べるからです。
ぱぱん
金額で追いかけると、いくらあっても足りない気がしてくる。年数に置きかえると、そこは持ち時間になるんだ。
僕は毎年、あと何年ぶんかを数え直している。そのほうが、性に合っていてね。長期で見れば、だけどね。
昔の僕は、金額のほうに線を引いていました。引いた線は、100万円、500万円、1,000万円。越えるたびに現れたのは、安心ではなく次の線です。
この考え方が向くのは、目標金額を立てては届かず、また上げ直している人。昔の僕です。
向かないのは、生活費をこれ以上動かせない事情がある人。そこは無理に触らないほうがいいと思います。これは正解ではなく、僕の選択です。
持ち帰る数字を1つにするなら、この式にします。
3,000万円 ÷(毎月の生活費×12か月)。月25万円なら、答えは約10年。
あなたの生活費を入れれば、答えは別の年数に変わります。その年数のほうが、金額よりずっと暮らしの言葉に近いはずです。手元のお金が足りるかどうかを考える前に、まず何年ぶんかを見てみてください。
DIE WITH ZERO
お金を使う時期と、人生の経験について問いかける本です。「何年ぶんの暮らしか」を数えたあと、その年数をどう使うかを考えるときの一冊です。
僕が使っているもの(読んだ本。読んでよかった本として挙げています)
向く人:資産の年数を出したあとで、「残す」と「使う」の配分を考えたい人。
向かない人:まず生活の予備を作りたい段階の人。タイトルを、全員が貯金を使い切る指示と受け取る必要はありません。
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出典・計算方法
数字のもとにした資料と、計算の前提です。
- 野村総合研究所「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日公表・2023年時点の推計・2026年8月参照)。図1の世帯数から、純金融資産3,000万円以上は 11.8万+153.5万+403.9万+576.5万=1,145.7万世帯。全体の5,570.4万世帯のうち約20.6%(およそ5世帯に1世帯)です。純金融資産は世帯の金融資産の合計から負債を差し引いた額で、住まいなどの不動産は入りません。
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(2026年2月6日公表・2026年8月参照)。二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人・世帯主の平均年齢60.7歳)の消費支出は月平均314,001円、単身世帯(平均年齢58.6歳)は月平均173,042円。記事でいう生活費は、この消費支出(暮らしのために使ったお金。税金や社会保険料は含みません)を指します。
- 年数は 3,000万円 ÷(毎月の生活費×12か月)だけで出しています。収入・年金・運用益・物価の変動・税金・手数料・臨時の支出は、いっさい含めていません。上の試算スライダーも同じ式です。
- 統計も制度も、これから更新されます。ここに並べた数字が将来を保証することはありません。運営者情報・免責は運営者情報をご覧ください。
これは僕の選択。正解ではありません。選ぶのはあなたです。